今年、アメリカ大リーグ ドジャーズの大谷翔平選手は、日本の全小学校に「野球しようぜ」というメッセージと共に約6万個のグローブを寄贈されました。もちろん賀露小学校にも届き、子ども達は、そのグローブを使って野球を楽しんでいるとのことです。そしてドジャーズはMLBワールドシリーズを制覇。大谷選手のすばらしい活躍に世界中の野球ファンが熱狂し、野球を知らない多くの人達も感動を覚えたことと思います。
話は100年前に遡ります。
1927(昭和2)年、アメリカの赤十字奉仕団は、日米親善のために「青い目の人形」を日本の子ども達に贈りました。鳥取県には107個届き、鳥取市内の幼稚園や小学校へ配布され、賀露小学校へも配られました。
当時を知る人の記録には、「裁縫室の床の右側に、ケース入りの人形が飾られました。寝かせると目をつむり、起きると目を開け、曲げると『ママー』としゃべるので、学校中の人気でした。日本人形以外見たことのない私達は、大変珍しかったものです」とあります。
そのお礼として鳥取県は、賀露小学校児童総代 大黒正子さんの手紙を添えてアメリカに京人形を贈りました。人形の名前は「ミス トットリ」です。1995(平成7)年、大黒さんの手紙がサウスダコタ州立歴史協会博物館で保管されていることを知ったアメリカ在住のデイ・多佳子さんは、その存在を大黒さんにお知らせしようと賀露小学校へ問い合わせをされました。しかし残念ながら、大黒さんは既にお亡くなりになっていました。
アメリカと日本の間には、戦争という悲しい歴史がありました。しかし子ども達を交えた心温まる交流は確かにあり、大黒さんの手紙はその証です。そして100年経った今、政治や経済の上では様々な問題を抱える日米関係ですが、ロスアンジェルス在住
大谷選手からのプレゼントは、子ども達の未来が平和であれと願う証でもあるように思います。

ミス トットリ 青い目の人形(散岐小学校)
(資料引用 Bill Gordon - Homepage)
大黒正子さんの手紙