清水団地

 当町内会は、54戸、人数約150人で構成され、こぢんまりとしています。
 昭和46年に宅地造成が完了し、その年の暮れの最初の入居を皮切りに徐々に増加し、昭和49年10月に世帯数25戸、2班の構成、年会費300円で町内会が設立されました。設立総会で、団地沿いを流れる「清水川」にあやかって団地の名称を「清水団地」と決めて鳥取市に届け出て、清水団地町内会が誕生しました。
 設立当時は集会場所もなく、町内にあった製材工場の部屋や民家を借りて会合を行っていました。経済的な裏付けがない中で、子どもの遊び場の遊具整備、街路灯の設置、町内案内板の設置等町内会運営は苦労の連続でした。
 町内会設立に力を注がれた初代会長の岩本武文氏は、集会場所や子どもの遊び場の整備には特に尽力され、バスを利用した集会所の設置、子どもの広場への植樹や遊具の設置が徐々に進みました。当時子どもの広場に植栽された桜は、10数年前からは町内の花見ができるほどに立派に成長し、遊具のリニューアルも進んで、緑に溢れる公園へと生まれ変わっています。
 昭和60年ごろまでは、小学生が15人前後と世帯数のわりに子どもの数が比較的多く、子ども会を中心に町内住民の親睦の機会もそれなりにありました。春先の遠足、夏休みのキャンプ、年末の餅つき大会など、みんなが一致協力して取り組み活気にあふれていました。
 その後、世代交代や核家族化の進行等のため子どもたちの数も年々減り、最も少ない時期には小学生が数人にまで落ち込みましたが、現在では十数人まで回復して町内にもやっと活気が戻ってきた感があります。
 今年の地区発足20周年記念さわやか大運動会には、例年の2倍近い40名あまりの参加があり、町内の連携も徐々に進みつつあるように感じています。今年からは、従来の花見に加えて約20年ぶりに子ども会と協力して餅つき大会を復活させ、町内の親睦と世代間の交流を一層深めていきたいと考えているところです。
 生活様式の多様化、連帯意識の希薄化などにより町内会の運営は厳しさを増してきていますが、災害発生時の高齢者世帯や独居世帯の支援、子どもたちの安全の確保や健全育成など地域活動の重要性は一層高まってくるものと考えられます。そのためには、住民のコミュニケーションを図るうえで、誰でもいつでも気軽に集まることのできる集会施設が是非とも必要で、その整備が当町内の喫緊の課題となっています。

(美保南地区・美保南地区公民館 発足20周年記念誌 美保南のあゆみ より)