宮 長

 鳥取市の駅南の開発は、宮長地区にも少なからず影響を及ぼした。とりわけ、美保南小学校の創設と南バイパスの開通は、歴史的なできごとであった。農業を中心に発展してきた地区の生活環境は、大きく変貌しつつある。なお周辺の宅地造成は急ピッチで進んでいる。現在、戸数は、一区25戸、二区20戸、平成17年度より加入の新宮長10戸、その他3戸の計58戸である。
 宮長には、宮長神社があります。祭神は天鈿女命(あめのうづめのみこと)・合祭保食神(うけもちのかみ)です。創立年代は詳らかでない。しかし、郷庄保記に宮長の名を載せてあることから、神社の存在も700年以前であることを窺うに足りる。神宮皇后が新羅より凱旋せられ、因幡國北浜に着せらるるや本社に報賽せられ、神託によりて社領を附し、宮長の号を奉られたと云う。
 全区で取り組む行事としては、「夏祭り」を一番にあげることができる。以前は、近郷近在より多くの参拝客でごった返すほどであった。例祭日は8月1日。宵宮は7月31日である。宮長神社の夏祭りの特徴は「人形」(ひとがた)と「輪くぐりさん」である。今年も7月31日早朝、「わかも」(管)を刈って輪を作り、境内をちょうちんで飾り付けし、夜には宮司さんからいただいた人形を持って参拝したことであった。
 「総御日待」は昭和5年2月15日創始より一年も欠けることなく今日に至っている。諸般の事情で、伝統行事は縮小を余儀なくされてきたが、これだけは絶えさせてはいけない行事である。
 地域活動は、安心、安全、福祉が益々重要なキーワードとなるであろう。安全で住みよい環境づくりを地域の協働作業で、今後とも進めたいものである。
 少子化の時代にあって、平成19年度の小学校の入学予定者は倍増するという、うれしい話題だ。

(美保南地区・美保南地区公民館 発足20周年記念誌 美保南のあゆみ より)