叶団地

 叶団地公民館には茶色に変色した当時の地方新聞の小さな「切り抜き」(昭和52年3月3日)が正面に掲げられています。
 見出しは「ひと味違う公民館」 サブタイトルは皆が日曜大工。
 その記事の内容は次の通りです。52世帯が住む新興住宅地で、2年程前に叶団地として発足したが、適当な集会場がなく町内会員からコミュニケーションの場が欲しいとの声があがっていた。こうした矢先、鳥取駅前高架に伴ってとりこわされることになった鳥取機関区の建物の古材が無料で譲り受けられるという願ってもない話があり、「これを利用して公民館を建てよう!!」と相談がまとまった。運搬から大工、左官、電気、水道等々工事の一切を町内会員の一人ひとりの特技を生かしあって、日曜日は町内会員総動員で汗を流した。木造平屋建ではあるが24畳敷の広間、台所、トイレ、押入が完備した建物を一ヶ月余りで完成させた。
 町内住民全員が誇りに想う「手造り公民館」誕生から30余年の年月がたちました。前広場に記念に植えたソメイヨシノも今では天をも仰ぐ大木になり、満開のサクラは町内の人々の心と身体を癒してくれています。
 現在の世帯数は80戸、240名。当町内は国道53号線と千代川との間に位置し、南北に長く、北は清水団地、南は叶茶屋に隣接し、神社仏閣とか伝承芸能といった文化遺産はないが千代川河畔と久松山など周囲の山並みで、遠くは扇ノ山が眺望できる素晴らしい立地環境にあります。
 町内会員相互のコミュニケーションを主眼とした千代川河川敷での町内運動会、又赤穂の潮干狩り、上野山のリンゴ狩り、ボーリング大会等々の親睦事業を開催してきました。
 近年は世代間交流を主な目的とした子どもも大人もみんなが参加できる納涼祭が主流となり、毎年の行事の中でも町内最大のイベントの1つとなっています。場所は勿論「手造り公民館」の前広場でやっています。

(美保南地区・美保南地区公民館 発足20周年記念誌 美保南のあゆみ より)